会長挨拶

日本硬質クロム工業会
会 長 上村 芳久

 関西支部より推薦を受け令和5年度本会通常総会において2年間の会長職を拝命いたしました上村です。どうぞよろしくお願いします。

まずは新型コロナ禍の2期4年間通常活動がままならぬ中で模索しながらも陣頭指揮を執って頂いた小野会長、小坂・於田両専務理事、三役の皆さまには本当にお疲れ様でした。また編集委員の皆さまにも会誌発刊にご尽力頂いたこと感謝を申し上げます。小野会長は対外的な意識も強い方でもっと色々とやりたいことがあったと思います。私がそれを引き継いで行けるかは非才故に微妙ですがこれからもご意見・ご指導を賜れたらと存じます。

さて、この3年余はコロナのワードが出ない日は無く本当に振り回された日々でした。私たちの業界も程度の差はあれマイナス影響を受け、従業員の罹患・濃厚接触等勤怠管理のやりくりや資材調達難またコロナ融資があったとはいえ運転資金確保にも頭を悩ませたことと思います。今にして考えれば2類相当としてここまで引っ張る必要があったのか甚だ疑問のところもありますが、いずれにせよ感染症に対する教訓は引継ぎながらもこの数年の様々な抑圧我慢の反動で経済も前へ向いて活発に動き出すでしょう。

私たちの主体業務である硬質クロムめっきは衣食住の人間生活必須の基本産業から半導体等の先端産業まで幅広く貢献し必要とされています。人が動き物が動き観光も含め経済需要が高まれば必ず私たち業界に大きな波が来るものと信じています。ただ懸念はあらゆる物価高で特に電力費の高騰は経営に大きな打撃を与えます。めっき加工には他産業に比し高い電流量が必要のみならず当然ながらめっき液原料や購入資材等の生産にも必要でこれらの仕入れ金額も上昇することは避けられません。一昔前「鉄は国家なり(一部には戦争をイメージさせますが、その意味合いは除きます)」と言われましたが今や「電気は国家なり」と言っても過言ではない時代です。現在高圧契約の産業界には期間限定で3.5円/Kwhの補助金が政府より出ていますが、もっと抜本的な施策を展開してもらいたいと望みます。

最後にこの工業会は研修会と共に黄色の表紙が眼を引く「日本硬質クロム工業会誌」がわれわれを繋いでいます。眞保先生、亀山先生には今までと変わらず技術情報の提供や提言をお願いし、賛助会を含む会員の皆さまには出せる範囲の企業情報もどんどんご寄稿頂き、より良い工業会誌の発刊また活動にしたいと考えますのでご協力のほどよろしくお願いします。